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     02 「人生なんて死ぬまでの暇つぶしだろ」


      首都の外壁近く、ひらひらと桜の花びらが舞ってくる。
      そういえば桜の季節だったかと、ローグは短剣の手入れを少しだけ止めて空を見上げる。
      風流だ、と感心した。
      隣に濃紫の服を着た友人が座っていなければもっといいのに、とも思った。
      アサシンの友人は、ローグの注意が手元から離れたと見て悪戯っ気たっぷりの顔を向けてきた。
      「人生なんてさあ」
      何の脈絡も前触れもなく、唐突に繰り出される言葉。
      それに慣れてしまったことを憂いて、ローグは心中で息を吐いた。
      「人生なんて死ぬまでの暇つぶしだろ」
      人生に疲れた者が言うような口調でも悟った口調でもまるでなく、実に楽しそうに彼は言った。
      答えを求めているわけではないのはわかっているが、構ってやらないと彼は拗ねる。
      また一枚、桜の花びらが落ちてきた。
      「……そう思うんならさっさと暇つぶしを終わらせたらどうだ」
      短剣の表面をぼろきれで拭うと、冷たい輝きが現れる。
      柄も拭いてしまえば手入れは終わりだ。
      いっそのこと武具のようにアサシンの頭の中も手入れできたらいいのに、とローグは半ば本気で考えた。
      「いやいや」
      ひらひらと、蝶のようにアサシンが手を振る。
      擬音は同じでも花びらとはまるで違うなと見当はずれの感想を抱く。
      ひょいと頬に手をかけて彼の方を向かせられる。
      高い位置から口づけられた。
      ローグは間髪おかず手元の短剣を一閃させたが、
      いつの間にか立ち上がっていたらしいアサシンは華麗なバックステップでかわす。
      楽しそうににたにたと笑うアサシンから彼は顔をそらした。
      「ここまで楽しい暇つぶしもそうそうないっしょ」
      「お前は本当に性格が悪い」
      風向きが変わったのか、桜はもう降ってこなかった。
      残念だと内心ため息を吐きながらも短剣を鞘にしまう。
      立ち上がったローグの後ろから、知ってる、と意地の悪い声が聞こえてきた。



      End.




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